消化性潰瘍の食事療法
消化性潰瘍は、過度のストレス、胃酸の過剰分泌、酸ーペプシンに対して消化管の粘膜が耐えられなくなって起こります。消化性潰瘍は最近年代を問わず多く発症しています。まず、消化性潰瘍に特徴的な症状を自覚したら、市販の薬で痛みを和らげるだけでなく専門医にかかりましょう。
食事療法の重要なポイント
- 食事の間隔があきすぎにならないように、1日3食を定めた時間に食べるようにしましょう。食事回数が多いと胃酸の分泌が毎食事時に促され、治療を遅らせます。
- 牛乳は疼痛を和らげたり、酸の中和作用もありますが、ミルク中には、たんぱく質やカルシウムが含まれガストリン(胃液分泌を促すホルモン)の分泌を促す作用がありますので飲み過ぎないようにしましょう。
潰瘍食の基本
- 潰瘍食は軟らかくしすぎて咀嚼回数が少なくなりがちですが、ビタミンB群・Cを含む緑黄色野菜を積極的にとり咀嚼をよく行ない、唾液の分泌を促し、消化しやすい状態にすることも大切です。
- 緑色野菜(小松菜・ほうれん草・ブロッコリー)の色素クロロフィルは、傷の治りを早める作用や抗潰瘍作用があります。
- 野菜の調理方法は、サラダなどの生野菜でなく消化のよいお浸しや和え物、煮物にして食べましょう。果物も軟らかくコンポートしたものがよいでしょう。
こんな料理はいかがですか
高野豆腐と人参・さといも・さやえんどうを含め煮にして召し上がれ。
こんなことにも注意を
- 香りの強いセロリー・セリ・ウド、酸味の強い夏みかん・イチゴ・レモン、塩味や甘味の強いものは胃酸の分泌を促しますので食べ過ぎないようにしましょう。
- 胃に潰瘍があると、病巣の部分を修復するために細胞分裂が行なわれています。強火で焼いたひどいこげは、突然変異を誘発しますので避けた方がよいでしょう。
- 就寝前の食事は、胃酸の分泌を亢進しますので、食べないようにしましょう。
- 出血しているときは、貧血など栄養不良を起こしやすいので注意が必要です。