下痢の食事療法
下痢による脱水症状を治療し、症状を悪化させないことが基本になります。香辛料や高脂肪食、アルコール、炭酸飲料、塩分などは腸を刺激しますので制限します。
腸に刺激が少ない食品
- バナナやプルーンなどはセルロースが少なくて軟らかく、ペクチンなど水溶性の食物繊維が多いので好適食品です。水溶性の食物繊維は便中の水分を吸収して便を固まらせる作用があるだけでなく、胆汁酸などの有害物質を吸着して下痢を軽減する作用を有します。
- 低脂肪であっさりしたヒラメや鯛などの白身の魚を薄味で煮るか、蒸したものを使用しましょう。
- 下痢時は、水分の喪失も大きいので、水分補給には白湯や番茶など刺激の少ない温かいものを利用しましょう。
こんな料理はいかがですか
- ニンジン、ほうれん草は軟らかく茹でる。豆腐を湯通しして水気を切った後、裏ごしする。そこにすりゴマ、味噌、砂糖、醤油で味を整え野菜を混ぜる。(ゴマはよく炒って、油が出て来るくらいよくすりつぶして使用する。そうしないと栄養的にも価値がなく、消化吸収も悪い)
- 比較的繊維の軟らかいカブやニンジンを小さく切る。薄くそぎ切りしたささみと一緒にだし汁で含め煮にし、器に盛る。大和イモをすり下ろし、卵を加えてよくかき混ぜたものを、器に盛った含め煮にかけて蒸す。(蒸しすぎには注意を)
こんなことにも注意を
- サツマイモや豆類、栗、生の野菜は繊維が多く消化されずに大腸に移行し、発酵性下痢を起こすことがありますので、注意をしましょう。
- 日本人の75%は、牛乳に含まれる乳糖を十分に消化できないために、牛乳の摂取が症状を悪化させることが多いですから、牛乳の摂取は避けましょう。
- 高い熱や腹痛が激しい時、下痢の回数が10回以上ある場合は、すぐに医師の治療を受けましょう。
- 糖の代謝異常(糖尿病)は、下痢が起こりやすくなることがあります。