メタボリックシンドロームの食餌療法
ウエストの境目がなく、「軽い糖尿病」で「血圧がやや高め」、または「少し中性脂肪が高いかな?」の状態では、1つ1つの疾病としてはそれほど体にはダメージを与えません。
しかし、肥満があってこのような“リスクの重積”した状態をメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群、別名・死の四重奏)と呼び、この状態が続けば、急速に動脈効果を進行させる事が分かっています。
現在、日本人の40歳以上では3人に1人と言われています。特に肥満気味(ウエスト周り:男性85cm以上、女性:90cm以上)の方は要注意です。
こんなことにも注意を
- 他人事として考えないで、まず自分自身のウエストチェックからはじめましょう。
- 「階段を駆け上がったら胸が圧迫された感じがしたが、2〜3分で治まった」などは、労作狭心症の疑いがあります。神経が障害されている糖尿病には、無症候性心筋虚血が多いです。
- 肝臓などで合成する仕組みのあるコレステロールは、細胞膜やホルモンの原料になり、決して悪者ではありません。体内で酸化させない生活習慣を身につける事が大切です。
- 脳の血管は、高コレステロール血症(240mg/dl以上)だけでは動脈硬化は起こりません。しかし、高血圧や糖尿病を合併していると非常に危険です。日本人は高血圧症が多いので血圧に対する配慮が必要です。高血圧症だとコレステロール値が下がりにくく、治療効果は上がりません。
- 喫煙者がコレステロール値を下げるメリットは大きいですが、まず禁煙する事が本筋です。
- ファーストフードや外食に多く含まれる「飽和脂肪酸」やリノール酸を含むサフラワー油はインスリンの抵抗性をきたしやすいですが、魚に含まれる「多価不飽和脂肪酸」のDHAやEPAはインスリン抵抗性を改善する傾向があります。
- 一価不飽和脂肪酸を多く含むオリーブ油や菜種油はLDLコレステロールを下げ、HDLコレステロールは上げも下げもしないので、ある程度摂取しましょう。アイスクリームの粘りを出すのに利用されているココナッツ油は、バターや牛脂より飽和脂肪酸の割合が大きいです。
- 牛肉の大きいヒレステーキ(400g)のコレステロール含有量は260mgで卵のLサイズ1個と同じくらいです。牛肉は「飽和脂肪酸」が多く、LDLコレステロール値、中性脂肪を上げますから、牛肉の摂り過ぎは総コレステロール値の上昇に悪影響を及ぼします。
- コーラやジュース類などの清涼飲料水や缶コーヒーには糖分が10%程度含まれています。水分の補給に糖分を含む清涼飲料水の過剰摂取は高インスリン血症を起こします。
- 運動を行ないヤセるのは難しいですが、インスリンの抵抗性を改善して代謝を活発にすることに意義があります。また運動不足は、脂肪分解酵素のリパーゼが減ってしまい体に脂肪を溜めやすい体を作る事になります。
- II型糖尿病などの生活習慣病だけでなく、家族性コレステロール血症(遺伝的素因)、甲状腺機能低下、クッシング症候群、ネフローゼ症候群、腎不全、脂肪肝、肝臓ガン、薬剤(ステロイド、サイアザイド、β遮断薬)なども持続性高脂血症を生じる原因となります。
食事の仕方
- 砂糖と卵と乳製品の組み合わせは、コレステロール値を上昇させ、インスリンの抵抗性にも悪影響を及ぼします。特に調理パンや菓子パン、ケーキ、クッキー、アイスクリームなどは要注意です。
- 野菜に含まれるカロテノイド系色素やポリフェノールなどの抗酸化物質と穀類や豆類などの食物繊維を含む食品をしっかり食べる事は、血液の酸化防止に役立ちます。
- チクゴ株クロレラに含まれる複合脂質(リン脂質・糖脂質)が、腸肝循環の胆汁酸吸収を抑制し、排泄を促進し血清コレステロールを低下させる事が、科学的に証明されています。さらに葉緑素や食物繊維が相乗的にはたらき、体内の老廃物を速やかに排泄させます。