
使ってない脳に刺激を
脳はまだまだ発達
年をとると脳細胞が萎縮(死亡)し、その分脳の機能が低下します。それが「物忘れ」や「記憶力の低下」といった現象として現れます。人の脳は、これまで20歳前には発達を終えてしまうと考えられてきましたが、記憶や高度な推理などをつかさどる前頭葉の「白質(神経細胞から出る神経線維の集まり)」部分は50歳近くまで発達していることが最近の研究で判明しました。
60歳を過ぎたら脳を鍛えよう
脳の機能は、脳細胞の数だけで決まるのではなく、脳細胞間のネットワークが保たれていれば、萎縮による脳の機能低下の影響もある程度カバーすることができます。ボケてしまうのは毎日を単調に過ごし、脳細胞間のネットワークを使わずにいるからです。いままで使わずにいた脳にもネットワークを張って、いつまでもすっきりした頭にしましょう。
ネットワーク網には手を使う
指1本動かすだけでも大脳の神経細胞が働き酸素の消費量が増え、血流が30%以上良くなるとも言われます。手を動かし脳を活性化させておくと神経細胞を働かせておくことができます。
手軽にできる脳の活性方法
親指と人差し指から小指までを順番にそれぞれ2回ずつ軽くリズミカルにたたき合わせます。スピードは1秒に2回が目安です。両手同時にしたり、左右逆にするのもよいでしょう。
定年退職後は要注意
多忙な仕事から離れると、とたんにボケ出すことがあります。何もすることがない、やらなければならない義務もない生活は、脳の刺激が少ないのです。「絵を描く、文章を書く、陶芸を楽しむ」といった創造的な趣味を持つようにし、物事を考えて頭を使うよう心がけましょう。