食物繊維でデトックス習慣を
食物繊維はきのこや野菜類に多く含まれます。
主食となるお米や、主菜に使われるお肉・お魚と比べると、メインで摂る機会が少なく省かれがちで、1日に必要な量をまかなうのが難しい栄養素です。しかし、食物繊維はわたしたちの健康を支えるはたらきを多数もっており、魅力的な栄養素の一つなのです。
あなたにいま本当に必要なこと
最近よく眠れない、疲れやすくなってきた、とにかくなんだか調子が悪い。
このままではいけない、生活習慣を見直そう!と思ったときに、真っ先に思い浮かべることはどんなことでしょうか?運動?睡眠?バランスの良い食事―――?
これらはもちろん、毎日の健康には欠かせない大切な要素です。とくに毎日の食事は、体を構成する栄養素としてはたらきます。また、血液となって全身をめぐり、各臓器の細胞に栄養素を与える重要な役割を果たしています。
しかし、いまのあなたが重視するべきことが、栄養素の補給ではなく、「余分なものを排泄すること」だったとしたら…?そんな風に考えたことはあるでしょうか。
体内の老廃物は主に便や尿、汗などから排出されます。その割合は便が約75%、尿が約20%で、これら2つが約95%を占めています。便秘などは特に、デトックスの大敵と言えそうです。
体への負担が大きい現代の食
化学調味料や食品添加物などの化学物質は栄養源にはならないので、体にとってはある種の「不要物」ともいえます。そしてこれらを体外に排泄しようとすることに、エネルギーが消費されます。
現代の食事では、便利と引き換えに本当に多くの物質が体の中に入ってきます。
化学調味料や食品添加物は、食品の見た目や美味しさを向上させ、そしてその美味しさを保つなど、私たちの食文化に大きく貢献してくれています。
しかしそのような発展の一方、加工・調理過程での化学物質などの昔の人々には無縁だったような物質が、今や当たり前のように体内になだれ込んでくるようになりました。
このごろ何となく調子が上がらないのは、老廃物や毒素が体の中に溜まっているからかもしれません。
毎日の食事から食物繊維を
『マルチビタミン』や『鉄チャージ』。
“補給”を謳う商品が並ぶ中、“排泄”を目的としたサプリメントはそう多くは見かけません。
そんな時には、天然の排泄促進剤「食物繊維」の出番です。毎日の食事で老廃物の排泄を促すには、ごぼう、れんこん、おくら、きのこ、こんにゃく、海藻、玄米など、食物繊維を含む食材を意識的に摂りましょう。また腸内環境を改善する善玉菌を含む発酵商品(ヨーグルトや納豆、キムチなど)も便秘改善に効果的で、老廃物の排泄につながります。
食物繊維の大切さ
食物繊維とは、食品に含まれる成分のうち、人の消化酵素では消化されにくい成分のことを指します。
食物繊維が多く含まれる食材には一般的によく噛まないと食べられないものが多く、咀嚼によって脳が刺激されることにより、食べ物の消化を助けることにもつながります。
食物繊維は、水溶性と不溶性の2種類に分類されます。
水溶性食物繊維は、繊維自体が水に溶ける特性を持っており、小腸で栄養素の吸収をゆるやかにし、血糖値の急激な上昇を抑制します。一方、不溶性食物繊維は、水分を吸収して数倍に膨れ、腸を刺激することにより腸内の有害物質を体の外へ排泄します。
腸内環境はわたしたちの心身の健康に大きく関わっていることがわかっており、食物繊維は毎日の健康を支えてくれる大切な栄養素であるといえるでしょう。
デトックス習慣を取り入れる工夫を
食物繊維を多く含む食材は、外食が続く食生活だとどうしても不足しがちです。比較的調理に時間や手間がかかるため、自炊するにもハードルが高い場合もあるでしょう。実際に、現代人は食物繊維が不足しているといわれています。
しかし、食物繊維はビタミンなどとは異なり、時間経過や調理過程で損失してしまうことはありません。ぜひ余裕のある休日などに、作り置きなどにもチャレンジしてみてください。きのこや切り干し大根、海藻類などは保存もきくのでおすすめの食材です。
“デトックス”を意識した食生活を続けていれば、きっと毎日の体調に変化が現れてくるはずです。